防衛訓練試験(J-SchH) 《試験の規定と実施要領》

(1) 試験は原則として嗅覚作業、服従作業、防衛作業の順に行う。
(2) 記載した命令用語(声符)は標準的に例示したものにすぎない。従って用語は指導手の任意とする。
(3) 犬に指示を与える際、視符を用いても良い。声視符は、一動作、一声視符を規準とするが、脚側行進中の方向変換、歩度の変更等は許される。
(4) 指導手の直前停座から脚側停座へ移行させる時、犬は直接脚側停座へ移ってもよいし、指導手の周囲をまわって脚側停座してもよい。

1 足跡追求作業 50点

(1) 未知人による約200歩の不定形足跡とし、若干の伸縮をすることもある。
(2) 遺留物品、起点1個、途中1個、終点1個、計3個。
(3) 捜索紐は10mとする。
(4) 実施要領
名前を呼ばれたら審査員のもとで脚側停座をし、ゼッケン、犬名、指導手名を申告し、犬が遺留物品を「くわえ上げるか」か「指示する」か又、捜索紐を離して追求するか、捜索紐の末端を指導手が持って追求するかは選択性とし、審査員に申告する。
作業開始は印跡終了後、一定時間を定めて審査員の指示で開始する。
首輪、又は胴輪に、捜索紐をつけて起点に至り、遺留してある物品の臭気をとらせた後、追求作業に入る。捜索紐が伸び切らないうちは、追求のやり直しは認め るが、捜索紐が伸び切った後は、やり直しは認めない。「サガセ」の指示で犬が前進し始めても指導手は出発点に止まり10mの捜索紐を順次手から繰り出し、 出し切る直前で捜索紐の末端をもって、約10mに距離は維持しつつ犬に従って前進を開始する。紐なしで追求作業を行う場合も約10mの距離は維持されなけ ればならない。
犬は、遺留品を見付けると、指導手の指示なしで、指導手が申告した方法で遺留品の発見を確実に示さなければならない。
犬が遺留品の発見を確実に指示したら、審査員の指示なしで、指導手は捜索紐を放し、常歩で犬のもとに行き遺留品を手に高く持ち上げ、審査員に犬が遺留品を 発見したことを示す。その後、遺留品発見場所から起点の同じようにして足跡追求作業を続け、最終コースは審査員の指示で指導手は捜索紐を離してその場に止 まり、犬が遺留品の発見を確実に指示したら、途中の遺留品発見と同じ要領で作業を終了する。
捜索紐が樹木等の障碍物にかかり、犬が進行できない時は、審査員の承諾を求めてこれを脱し、起点と同じ要領で再び発進させる。
犬が足跡コースから最大限捜索紐以上離れた場合、追求作業は中止される。犬が足跡コースからはずれ、指導手が犬を引き戻した場合、審査員は指導手に犬に従うように注意する。再度行った時は失格とする。

2 服従作業 100点

全ての作業中、犬に指示を与える際、声視符を用いて良い。

(1) 紐無し脚側行進 10点 声符「アトエ」
審査員の指示により、脚側停座した犬から引紐を解き、これを肩にかけるか、たすきがけにする。審査員にゼッケン番号、犬名、指導手名を申告する。
出発点で脚側停座し、審査員の指示により、指導手の「アトエ」の声符で嬉々として犬は指導手の左側で膝の位置に肩甲骨の線を守り、それより前後したり離れてはならない。指導手は反転後、停止したならば直ちに、犬に脚側停座をさせる。(犬に指示の声視符を与えて良い)

(2) 速歩行進中の立止 10点 声符「タッテ」「スワレ」
脚側停座から、速歩行進中所定の位置で指導手は歩度を変えたり、振り返ることなく、声符「タッテ」で犬を立止させ、指導手はそのまま所定の位置まで前進 し、犬に対面する。審査員の指示により犬のもとに戻り、犬の右側に立って、審査員の指示で、声符「スワレ」で犬は素早く脚側停座しなければならない。(犬 のもとに戻るときは、立止している犬に向かって右側から後方を回って脚側停座させる)

(3) 速歩行進中の伏臥 10点 声符「フセ」「スワレ」
脚側停座から、速歩行進中所定の位置で指導手は歩度を変えることなく、声符「フセ」で犬を伏臥させ、指導手はそのまま所定の位置まで前進し、犬に対面する。審査員の指示により犬のもとに戻り、審査員の指示で、声符「スワレ」で脚側停座。(要領は上記に準ずる)

(4) 常歩行進中の待座及び招呼 10点 声符「スワレ」「コイ」「アトエ」
脚側停座から、常歩行進中所定の位置で指導手は歩度を変えることなく、声符「スワレ」で犬を待座させ、指導手はそのまま所定の位置まで前進し、犬に対面す る。審査員の指示で犬を招呼する。犬は嬉々として帰来し、指導手の直前に停座する。確実に停座したならば審査員の指示なしで声符「アトエ」で脚側停座。

(5) 1kgダンベル持来 10点 声符「モッテコイ」「ダセ」「アトエ」
脚側停座から、ダンベルを所定の位置より前方に投げ、声符「モッテコイ」を命じる。犬は迅速な歩度でダンベルの所に行き、直ちにくわえ上げ、指導手のもと に持来する。この時「モッテコイ」等、犬に指示を与えてもよい。犬はダンベルをくわえたまま指導手の直前に停座する。約3秒後、審査員の指示により指導手 は、声符「ダセ」を命じ、ダンベルを受け取り、声符「アトエ」で脚側停座する。犬が脚側停座するまで指導手は位置を変えてはならない。

(6) 高さ1m障碍往復飛越 10点 声符「トベ」「マテ」「トベ」「アトエ」
障碍から任意の位置で脚側停座し、声符「トベ」で犬が障碍を飛越したら、指導手は、声符「マテ」を命じ、審査員の指示によりで声符「トベ」で障碍を飛び戻 らせ、招呼の要領で脚側停座させる。指導手は犬を発進させてから、往復飛越後、脚側につけるまでその位置を変えてはならない。

(7) 前進と方向変換 30点 声符「マイエ」「マテ」「ミギ」「ヒダリ」 (ヒダリ、ミギはどちらからでもよい) 「コイ」「アトエ」
脚側停座から、指導手は腕を前方に挙げて、声符「マイエ」で犬に前進を命じる。犬は迅速な歩度で約30m指示された方向に前進する。犬がこの距離に達した ら、声符「マテ」を命じ停止させ、その地点から、声符「ミギ」「ヒダリ」左右に約20mまで概ね直角に方向変換させ、最初の屈折点に犬を停止させた後、審 査員の指示により招呼し声符「アトエ」で脚側停座させる。
出発から左右方向変換後、最初の屈折点に至るまでは審査員の指示はない。但し、屈折点、左右停止位置では確実に犬を停止させること。声視符は少ない方がよい。

(8) 休止及び銃声確固性、5分 10点 声符「ヤスメ」「スワレ」
指導手は脚側行進で犬を伴い、所定の位置についた後、指示により伏臥を命じ、常歩で犬の方を振り返ることなく審査員の指示する遮蔽下に隠れる。約4分後発砲を行う。審査員の指示により犬のもとに戻り、審査員の指示で脚側停座させ作業を終わる。
発砲前に逸走した犬には、銃声テストを追加する。
銃声に対し逸走した犬は不合格とし、以後の作業は中止する。

3 防衛作業 100点

この作業は、電光型4ヶ所の隠れ場所を点検させる。
ヘルパーは、片そでの防御衣を着用し、ムチは利き腕に持ち、振って犬を攻撃するが、直接犬にムチは殴打しない。

(1) パトロール 10点 声符「マイエ」「コイ」「マワレ」
指導手は犬を紐無しにして出発点につき、片腕を上に上げて作業開始の準備ができた事を示す。審査員の指示で作業を開始する。
声符「マイエ」で犬が一つの隠れ場所をパトロールし終わったら、「コイ」の声符で呼び戻し、声符「マワレ」で次の隠れ場所に送ることができる。犬がパト ロールしている間、指導手はほぼ中央線を行進する。犬は常に指導手の前を走り、最後の隠れ場所に到達したら指導手は停止し、一切声視符の使用は許されな い。

(2) 禁足咆哮 20点 声符「コイ」「スワレ」
犬はヘルパーを発見したら禁足咆哮する。審査員の指示で指導手は常歩でヘルパーの隠れ場所から約3mの所定の位置に行き、審査員の指示により犬を呼び戻し脚側停座させ、監視する。指導手はヘルパーに隠れ場所から約5mの所定の位置まで出るように指示する。

(3) 追捕 20点 声符「オソエ」「ヤメ」
審査員の指示で、指導手は犬を伴って、ヘルパーから約5m離れた所定の位置に脚側停座させ、ヘルパーに手を上げるよう指示をする。犬に伏臥、監視させ、指 導手はヘルパーを身体検査してから引き続き隠れ場所を検索する。審査員の指示でヘルパーは駆け足で逃走を企てる。指導手の声符「オソエ」で犬はためらうこ となく、力強く咬補して逃走を阻止する。ヘルパーが静止すれば、咬補を中止し禁足する。(どの場合にも中止の命令を命じてもよい)

(4) 禁足から防御 20点 声符「ヤメ」
審査員の指示でヘルパーはムチを振り上げ犬に攻撃をしかける。犬は指導手の命令なく直ちに反撃し再び咬捕し、ヘルパーの攻撃を防御、阻止する。犬が完全に 咬捕したら、ヘルパーはムチを振るが、犬に殴打してはならない。ヘルパーが静止すれば咬捕を放し、禁足に移る。審査員の指示で指導手は犬のもとに行き、脚 側停座を命ずる。この時は「ムチ」は取り上げない。

(5) 背面護送 5点 声符「アトエ」
引き続き、約30mの背面護送を行う。指導手はヘルパーに前に進むように命じ、犬と指導手は脚側行進で、ヘルパーの約5歩後方を護送する。

(6) 背面護送から奇襲 20点 声符「ヤメ」
背面護送中、ヘルパーは止まることなく突然反転し、犬を奇襲する。犬は指導手の命令なくヘルパーを咬捕し、奇襲を阻止する。指導手はその場に立ち止まる。ヘルパーは制止すれば咬捕を放し禁足する。

(7) 並列護送 5点 声符「アトエ」
審査員の指示により、指導手は犬の元に行き脚側停座させ、ヘルパーを数歩後ろに下がらせる。犬を伏臥させた後、ヘルパーを身体検査しムチを取り上げる。指 導手は犬の元へ戻り、引き続き犬を伴い、ヘルパーと指導手の間に犬を入れ、その場で一旦、脚側停座をさせた後、審査員のもとまで並列護送し、審査員にヘル パーとムチを引き渡して終了する。

服従(ZPrの6課目)

全ての作業中、犬に指示を与える際、声視符を用いてよい。

(1) 紐無脚側行進 10点 声符「アトエ」
審査員の指示により、脚側停座した犬から引紐を解き、これを肩にかけるか、たすきがけにする。審査員にゼッケン番号、犬名、指導手名を申告する。
出発点で脚側停座し、審査員の指示により、指導手の「アトエ」の声符で喜々として犬は指導手の左側で膝の位置に肩甲骨の線を守り、それより前後したり左右に離れてはならない。
コースはコの字型、或いはクランク型とし、往路は常歩、復路は速歩とする。指導手は反転後、停止したならば直ちに、犬に脚側停座をさせる。(犬に支持の声視符を与えて良い)

(2) 常歩行進中の立止 10点 声符「タッテ」「スワレ」
脚側停座から、常歩行進中所定の位置で指導手は歩度を変えたり、振り返ることなく、声符「タッテ」で犬を立止させ、指導手はそのまま所定の位置(約15 歩)まで前進し犬に対面し、審査員の指示により犬のもとに戻り、犬の右側に立って、審査員の指示で声符「スワレ」で犬は素早く脚側停座しなければならな い。(犬のもとに戻るときは、立止している犬に向かって右側から後方を回って脚側停座させる)

(3) 常歩行進中の伏臥 10点 声符「フセ」「スワレ」
伏臥における犬の姿勢は膝をくずさないものとし、膝をくずすことは欠点とする。脚側停座から、常歩行進中所定の位置で指導手は歩度を変えたり、振り返るこ となく、声符「フセ」で犬を伏臥させ、指導手はそのまま所定の位置(約15歩)まで前進し犬に対面し、審査員の指示により犬のもとに戻り、審査員の指示 で、声符「スワレ」で脚側停座。(要領は上記に準ずる)

(4) 待座及び招呼 20点 声符「マテ」「コイ」「アトエ」
脚側停座から常歩行進中所定の位置で指導手は一旦停止し、犬を脚側停座させ「マテ」で犬を待座させ、指導手はそのまま所定の位置まで前進し犬に対面する。 審査員の指示で犬を招呼する。犬は喜々として帰来し、指導手の直前に停座するか、又は直接、脚側に停座する。声符「アトエ」で脚側停座。

(5) 650gダンベル持来 20点 声符「モッテコイ」「ダセ」「アトエ」
脚側停座から、ダンベルを所定の位置より約8m前方に投げ、審査員の指示により声符「モッテコイ」を命じる。犬は迅速な歩度でダンベルの所へ行き、直ちに くわえ上げ、指導手のもとに持来する。犬はダンベルをくわえたまま指導手の直前に停座することを原則とするが、直接指導手の脚側に停座しても良い。審査員 の指示により指導手がダンベルを取り上げるまで、これをくわえていなければならない。犬を指導手の前に停座された場合には、ダンベルを受け取り、審査員の 指示なしで声符「アトエ」で脚側停座する。犬が脚側停座するまで指導手は位置を変えてはならない。

(6) 高さ80cm障害飛越(片道) 10点 声符「トベ」「マテ」「スワレ」
障害から任意の位置に犬を紐無しにて伴い脚側停座させた後、審査員の指示により声符「トベ」で犬に障害を飛越させる。犬が飛越したら指導手は、声符「マ テ」を命じ、審査員の指示により指導手は障害を迂回して犬のもとに戻り、審査員の指示で、声符「スワレ」で犬は素早く脚側停座しなければならない。指導手 は、犬を伴って障害の前に立ってから飛越後、声符「マテ」の指示で犬が停止するまで、その位置を変えてはならない。