犬の胃捻転は突然発症し、放置すると数時間で死亡してしまう、緊急を要する疾患です。
通常ならば、胃から十二指腸へ流出していく物がなんらかの障害が発生し、急激に膨れ上がった胃はやがてすぐ近くにある脾臓や胃に分布する血管を巻き込んでねじれていくのです。
捻転の程度にもよりますが、胃の入り口である噴門と出口である幽門が閉鎖するために、胃内はガスと胃液が時間とともに充満して異常に膨満します。
胃が捻転が大血管を巻き込むことで全身の循環障害を起こすので重篤なショック症状に陥ります。

原因

胃捻転は胃内に停滞するガスまたは液体の増加および胃の流出障害、食後の過度の運動などが起因する胃拡張がおもな原因です。
起こりやすくなる因子として、過食・飲み過ぎ・ストレス・食後の急な運動・胃の中で膨らみやすいフード・げっぷなどがあります。

特徴

この病気は胸の深い犬種、大型犬や超大型犬に多く、遺伝的要因も考えられています。
また、あらゆる年齢で発症し、雄に多い傾向があります。
犬種：ジャーマンシェパード・セントバーナード・グレートデン・ドーベルマン・アイリッシュセッターなど
(但し、小型や中型犬に起きないというわけではありません。ダックスフントも発生しやすいようです。)

症状

一般的に食後1～4時間以内で腹部膨満してきます。
嘔吐の姿勢をとっても吐物が出ない状態が続き、努力性呼吸、チアノーゼ、可視粘膜が白く退色し、そのまま治療せずに放置すると数時間で死亡します。

予防

食事の回数を1回にしないことです。(最低でも2回)
また、食後の急激な運動も避けることをおすすめいたします。

治療

この病気はすぐに治療を開始しないと致命的な結果になることがよくあります。
胃捻転になると必ず手術をしなければなりません。また、残念ながら再発もよく起こります。
飼い主さんは回復期も特に気をつけて再発を早期に発見することが重要です。